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自転車の飛び出しによる事故|過失割合はどうなる?

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自転車の飛び出しによる事故|過失割合はどうなる?

自転車と自動車の交通事故では、基本的に自動車側の過失割合が大きく設定されます。
一方で、自転車の飛び出しなど重大な違反行為がある場合には、自転車側の過失割合も増加するのが一般的です。
本記事では、自転車事故における過失割合の判断基準について解説します。

自転車の飛び出しによる交通事故の過失割合

道路交通法では自転車は「軽車両」という区分に該当し、重大な事故を引き起こす危険性があります。
自動車と違い免許制度がないため、利用者が交通ルールを十分理解しないまま乗車することも多く、飛び出し事故が発生するケースが目立ちます。
自転車側が事故に遭った場合、自動車やバイクの事故と比べて自動車側の過失割合が高めに判断されるのが一般的です。
自転車はバイクよりもさらに車体が小型で、乗り手の身体が無防備な状態にあるため、衝突時の被害が深刻化しやすい「交通弱者」としての位置づけです。
道路交通法では交通弱者保護の基本原則があり、結果として自転車側の過失割合が低く設定されています。
ただし、自転車側に法令違反がある場合、基本過失割合の修正が行われ、急な飛び出しが事故原因となったケースでは、自転車側の過失割合に10%程度加算されます。
以下では具体的なケースで、過失割合がどうなるのかについてみていきましょう。

子どもの自転車による飛び出し事故のケース

自動車の運転者には、子どもが関係する事故において、通常以上の注意義務が求められます。
子どもは事故回避能力が未熟で、責任能力も大人より低いと判断されるためです。
過失割合の判定で重要になるのは、被害児童の善悪判断能力(事理弁識能力)の有無です。
道路交通法では年齢によって区分されており、個人の成長度合いや理解力なども考慮されますが、基準は5歳未満と5歳〜6歳以上で分類されています。

年齢区分 特徴 過失割合の考え方
5歳未満(幼児) 歩行や会話が未熟な段階 子どもへの責任追及は困難、保護者の管理責任が主体
5歳〜6歳以上(児童) 事理弁識能力あり 状況に応じて10~20%の過失を認定

なお幼児・児童の事故では、「子どもである」という要素が考慮され、大人が被害者となる同様の事故と比較すると、過失割合が5~20%ほど軽減される傾向にあります。

自転車が一時停止義務違反した場合の飛び出し事故のケース

自転車が一時停止義務に違反した場合についてみていきましょう。

事故の状況 自転車の過失割合 自動車の過失割合 特記事項
信号機あり・自転車赤信号 20% 80% 基本過失割合から+10%
一時停止線あり・停止義務違反 40% 60% 交差点での出会い頭事故の場合

自転車は交通弱者として扱われますが、上記以外にも、明確な違反行為がある場合は過失割合が増加します。
ただし、状況や道路環境によって具体的な割合は変動する可能性があります。

まとめ

自転車は交通弱者として扱われ、自動車との事故では基本的に自動車側の過失割合が高く設定されます。
ただし、一時停止違反や信号無視などの明確な違反行為がある場合は、自転車側の過失割合が増加します。
また、子どもの事故では年齢による事理弁識能力の有無が重要な判断材料です。
具体的な過失割合の判断は事故状況により異なるため、専門的な知識を持つ弁護士への相談をおすすめします。

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