離婚調停は夫婦の話し合いによって、円満な解決を目指す制度ですが、必ずしもすべての調停が成立するわけではありません。
本記事では、調停が上手くいかない主な5つのケースと、その後の対応方法について解説します。
離婚調停が不成立になる5つの代表的なケース
離婚調停では、話し合いが前に進まない状況が複数あります。
実際の現場で多くみられる代表的な5つのケースについてみていきましょう。
ケース1:相手が調停への出席を拒否し続ける
裁判所からの離婚調停の呼び出しに対して、相手が複数回にわたり応じない状況が続くと、話し合いの進展が見込めないと判断されます。
このような場合、離婚調停は不成立に終わることが多いのが実情です。
ケース2:相手が離婚に応じる気がない
家庭裁判所の調停委員は、夫婦双方の意見を丁寧に聞きながら話し合いを進めていきます。
しかし、一方が強く離婚を望まず、調停委員の提案にも応じない姿勢を示す場合があります。
相手が頑なに離婚を拒否する状況では、話し合いによる解決は難しく、調停が不成立に終わるケースがほとんどです。
ケース3:相手が自らの有責行為を認めない
配偶者による不倫やDV、モラハラが離婚の理由であっても、相手がその事実を認めないために調停が不成立になることがあります。
このような場合、客観的な証拠の提示が重要です。
有責行為を立証できる資料があれば、調停委員からの適切な助言を得られ、離婚条件について建設的な話し合いができるでしょう。
ケース4:子供の親権を巡って争っている
離婚において、未成年の子供の親権に関する取り決めは必須です。
たとえ離婚についての合意があったとしても、双方が親権を主張して譲らない場合には、その決定が困難となり、調停が不成立になる事例が多くみられます。
ケース5:財産分与や慰謝料などの条件面で争っている
離婚の条件には、慰謝料、財産分与、養育費、面会交流、年金分割などの取り決めが含まれます。 離婚自体には双方が同意していても、これらの金銭的な条件について意見の隔たりが大きい場合、調停が合意に至らないことが少なくありません。
離婚調停不成立後の3つの対応方法
離婚調停で話し合いがまとまらなかった場合でも、離婚の実現を目指すための選択肢は残されています。
ここからは、具体的な3つの対応方法について解説します。
当事者同士で再協議する
離婚調停が不成立になった場合でも、すぐに裁判へ移行する必要はありません。
別居期間を経て双方の気持ちが落ち着いた時期に、改めて話し合いの機会を持つことも有効な選択肢のひとつです。
離婚調停の再申し立てを検討する
離婚調停は何度でも申し立てることができます。
双方の状況の変化や心境の整理を経て、改めて離婚調停を行うことも可能です。
裁判による解決を選択する
離婚調停で合意に至らなかった場合、裁判による解決を検討することが可能です。
裁判では、裁判官が双方の主張と証拠に基づいて離婚の判断や条件を決定するため、話し合いでは解決が難しい状況を打開できる可能性があります。
まとめ
離婚調停では、さまざまな理由で話し合いが難しくなることがあります。
しかし、調停が不調に終わっても、当事者間での再協議、調停の再申し立て、裁判による解決など、複数の対応が可能です。
具体的な進め方については、経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。