■養育費とは
養育費とは、「未成熟子」のために必要な費用のことをいいます。「未成熟子」とは、経済的に自立していない子どものことを指します。養育費は、そのような未成熟子が自立するまでの間、生活費や教育費、医療費といった諸費用について支払いを行うことで、子どもの成長を援助していく大切なものになります。そして、養育費の支払額は、子ども自身にとっても、また、受け取る側(権利者)・支払う側(義務者)にとっても重要な要素です。ここでは、養育費の支払額の相場について、詳しく見ていきましょう。
●養育費の相場はどのようにして決まるのか
養育費の支払額を決めるにあたっては、相場を参考にすることになると思います。では、養育費の相場は、どのようにして決まっているのでしょうか。
養育費の相場を理解するために役立つのが「養育費算定表」というものになります。「養育費算定表」とは、家庭裁判所において養育費を算定する際に用いられている資料を参考にしたものです。簡単に養育費の算定ができるよう、分かりやすく指標としてまとめられています。養育費算定において大切な要素は、子どもの人数と年齢、養育費の権利者と義務者の収入です。子どもが15歳以上なのか15歳未満なのか、また、子どもは何人いるかによって算定表が分けられています。そのため、養育費の算定表を見る際には、子どもの年齢と人数に合った表を選んだ上で、縦軸と横軸を照らし合わせていきます。縦軸には、養育費の義務者の収入が、横軸には権利者の収入が書かれています。養育費算定表を見れば、養育費の支払額がどれくらいなのか、具体的な相場が分かるようになっています。
●年収1000万円の場合における養育費の相場
ここからは、年収1000万円の場合における養育費の相場について、具体的に解説していきます。
先ほど確認した通り、養育費の算定で重要な要素は、子どもの人数と年齢、そして権利者と義務者の収入です。また、義務者が給与所得者なのか自営業なのかによっても、金額が異なります。以下に示すのは、権利者の収入が0の場合で、かつ、義務者が年収1000万円の場合における養育費の相場になります。
・子ども1人で15歳未満の場合 給与所得(以下、給与)の場合12万円~14万円、自営業(以下、自営)の場合16万円~18万円
・子ども1人で15歳以上の場合 給与14万円~16万円、自営18万円~20万円
・子ども2人で第1子及び第2子が15歳未満 給与18万円~20万円、自営22万円~24万円
・子ども2人で第1子15歳以上、第2子15歳未満 給与18万円~20万円、自営24万円~26万円
・子ども2人で第1子及び第2子が15歳以上 給与20万円~22万円、自営26万円~28万円
●養育費に関するご相談は当事務所まで
稲坂将成法律事務所では、東京都東大和市・東村山市・小平市、埼玉県所沢市等を中心に、東京都・埼玉県・神奈川県にお住まいのみなさまからご相談を承っております。
養育費の支払いに関するご相談や、養育費の額等の取り決めに関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
年収1000万の養育費相場はいくらか
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