親権者は、子供の「身上」と「財産」に関する権利義務を有しています。前者は子の身の回りの世話養育に関する内容を対象とする「身上看護(権)」と呼ばれ、後者は子の財産を適切に管理する「財産管理(権)」と呼ばれます。
■身上監護権
身上監護権とは、以下の4つに分類されます。
①監護教育権
②居所指定権
③懲戒権
④職業許可権
①監護教育権
監護者は、子の利益のために子を監護及び教育する権利を有し、義務を負っています(民法820条)。
成長発達すべき子の心身に応じて、子の肉体的生育を図ること、子の精神的発達を図ることを、それぞれ監護・教育とされています。
この監護と両者が一体となって子の健全な成長発達に寄与します。
監護教育の方法は、原則、親権者の自由裁量に委ねられますが、学齢期の子に義務教育を受けさせるなどの公法上の制約が伴います。
②居所指定権
子は、親権者が管理した場所に居所を定めなければなりません(民法821条)
父親母親の間で意見が一致せず、適切な居所指定ができない場合には、家庭裁判所の調停・審判によって決することが可能とされています。
③懲戒権
親権者は、子の利益のために監護教育をするのに必要な範囲で子を懲戒できます(民法822条)
勿論ですが、「しつけ」を称した児童虐待を正当化するものではありません。
④職業許可権
子が職業を営むには親権者の許可を得なければならないとされています。(民法823条1項)
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親権と監護権
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